10月3日㈯のみなと哲学サロン【入門】のテーマは、「差別について」でした。
多くの方にご参加いただき、とても活発な議論となりました。
議論は、そもそも何が「差別」なのか、という問いから始まりました。
ここでは、「男女差別」「人種差別」「職業差別」等が具体的な例としてあげられました。
しかし、どうも「違い」や「差がある」こと自体にネガティブな要素は無いようです。
例えば、「男性と女性で身体的な違いがある」ことは単なる事実であり、そこにポジティブな意味も、ネガティブな意味も含まれていません。そこに何らかの意味付け、価値付けをすることによって、この「差」が「差別」となっているようです。
参加者の方からは、この意味付け・価値付けによって差別された人は、社会においてその人の地位を下げられ、貶められているのではないか、という意見が出されました。
では、この貶められた人たちは「いったい何を、貶められている」のでしょうか。
これは「差別」について考えるにあたって、その本質を明らかにする問いのようです。
ここでは、「そこで貶められているのは、まさに自分自身なのではないか」「相手の自分への態度が、自分自身への侮辱と感じられたとき、それは『差別』としてとらえられるのではないか」等の意見が出ました。
今回もとても白熱した回となり、終了予定時刻を大幅に超えての議論となりましたが、まだまだ思考は深まりそうです。是非、近日「差別について」第二回を開催させていただきたいと思います。ぜひ、お気軽にご参加くださいませ。
また、今回のアンケートでは、「時間があまりなかったためか、ふわっとした内容になってしまい、新しい考えを得るまでにはならなかった」「今回の題目は『差別とは何か』という本質論(理論哲学)であり、倫理学(実践哲学)ではなかったのに、本質論まで議論を深めることができていなかった」等のご意見も頂きました。貴重なご意見、本当にありがとうございます。とても励みになります。今後のサロン運営に生かすことができるよう、スタッフ一同精進してまいりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
(秀島真琴)